ホースラディッシュは薬味として使用されるため、通常は多量に摂取することはありません。しかし、炭水化物の代謝に不可欠な多くのビタミンやミネラルが豊富に含まれており、一般的な野菜の約2倍の食物繊維も含まれています。また、辛味成分のアリルイソチオシアネートも含まれており、ホースラディッシュの風味は肉類の薬味に最適です。その爽やかな辛味と香りは食欲を高める効果もあります。



ホースラディッシュとは?

ホースラディッシュは「西洋わさび」や「わさび大根」とも呼ばれています。タンパク質分解酵素を含んでおり、すりおろしたものはイギリスの名物料理であるローストビーフの薬味としてよく知られています。日本のわさびより辛味はおだやかですが、同じ辛味成分のアリルイソチオシアネートを含んでおり、特有の香りとツンとした辛さが胃液の分泌を促し、食欲を高めてくれます。

西洋わさび

 

ホースラディッシュの栄養素

栄養面では、抗酸化作用の高いビタミンCや、三大栄養素の代謝に関与するビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6、そして高血圧を予防するカリウムを含んでいます。ただし、薬味として使用されることが主であるため、量を摂取するのは難しいです。ホースラディッシュは風味や香りを楽しむ野菜として楽しむことが一般的です。ヨーロッパの民間療法では、強い抗菌作用から消炎剤や鎮痛剤の代わりに使用され、抗アレルギー効果も報告されています。

 

ホースラディッシュの栄養成分

食品成分 ホースラディシュ/根茎/生
廃棄率 25%
エネルギー 69kcal
水分 77.3g
たんぱく質 3.1g
脂質 0.3g
炭水化物 17.7g
灰分 1.6g
食塩相当量 0g
カリウム 510mg
ビタミンB1 0.1mg
ビタミンB2 0.1mg
ビタミンB6 0.23mg
ビタミンC 73mg
食物繊維 8.2g

※数値は可食部100g当たりに含まれる成分となります。

※参考:食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

 

調理との組み合わせ

アリルイソチオシアネートは細胞が壊れることによって生成されるため、すりおろしたり刻んだりすることで効果的に利用することができます。ただし、すりおろした後は辛味や香りが次第に失われるため、使用する分だけを食べる直前におろすか、事前にすりおろしたものを小分けにして冷凍しておくと良いです。これによって長期間保存しながらも風味を損なわずに利用できます。

西洋わさびのすりおろし

 

ホースラディッシュは肉料理の付け合わせとしてだけでなく、細かく挽いたりすりおろしたりして、サラダのドレッシングや各種のソースにも加えて楽しむことができます。その独特な風味と辛味が料理にアクセントを与えます。

 

ホースラディッシュの保存方法

日が経つにつれて繊維が増えてくるので、早めに使うこと。すりおろしたものをラップに包めば、冷凍保存もできます。

 

ホースラディッシュの選び方

太くて長いもの。乾燥しすぎると、繊維ばかりで香りも損なわれるので、適度な湿り気があり、できれば土付きものがおすすめ。

ホースラディッシュの選び方

ホースラディッシュの効果

老化防止に

抗酸化作用の高いビタミンCを含んでいるため、老化防止が期待できます。

 

血圧改善に

高血圧を予防するカリウムを含んでいます。

 

食物繊維摂取の手助けに

一般的な野菜に比べて食物繊維は約2倍ほど含まれています。

こんな方におすすめ

老化が気になる人

高血圧が気になる人

食物繊維を摂りたい人

おさらい

「西洋わさび」、「わさび大根」とも呼ばれ、ローストビーフの薬味として使われる

日本のわさびと同じ辛味成分のアリルイソチオシアネートを含み、食欲を高める

抗酸化作用の高いビタミンC、高血圧を予防するカリウムや食物繊維が豊富


参考文献

・実用版オールカラー 食品図鑑(発行所 女子栄養大学出版部)

・春夏秋冬 おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典(発行所 株式会社エクスナレッジ)


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