のりはタンパク質やカルシウム、鉄、ビタミン類、食物繊維が豊富です。また、β-カロテンは必要に応じてビタミンAに変わり免疫力を向上させます。ビタミンEは血行を良くし、ビタミンCは美肌効果があります。のりは高血圧予防にも効果的で、骨粗鬆症や貧血の予防、コレステロールの減少、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも役立ちます。
のりとは?
一般的なのりはあまのりで、浅草のりは代表的なあまのりです。日本近海には約20種類ののりがあります。のりは養殖され、育った海によって風味や性質が異なります。九州産ののりはパリパリして煮ると溶けるタイプが多く、瀬戸内海産ののりはしっかりしたタイプが多いです。のりはタンパク質が豊富で、100gあたり41.4g含まれます。カルシウムが280mg、鉄が11.0mgとミネラルも多く、100gあたりのβ-カロテンはにんじんの3倍です。ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、食物繊維も豊富です。
カロテンは必要に応じてビタミンAに変わります。ビタミンAは免疫力を向上させ、ウイルスや細菌から身体を守り、健康でうるおいのある肌を作ります。ビタミンEは血行を良くし、ビタミンCは肌の色素沈着を防ぎ、みずみずしい肌を促します。これらのビタミンは強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素の除去に役立ちます。また、のりに含まれる多糖類成分であるポルフィランはがんと闘う機能を強化し、身体を守る効果があります。ただし、ポルフィランはのりの細胞壁に包まれているため消化吸収が難しい欠点があります。粉のりの摂取が効果的です。
のりに含まれるペプチドは、アンジオテンシン(ACE)という血圧を上げる酵素の働きを抑え、血圧の上昇を防ぎます。また、のりにはカリウムやタウリン、食物繊維など余分な塩分を排出する成分も含まれています。これらの相乗効果により、高血圧の予防に効果があります。さらに、のりは骨粗鬆症や貧血の予防にも役立ちます。また、コレステロールを減少させ、動脈硬化や心筋梗塞、脂肪肝、脳梗塞などの予防にも効果があります。
■選び方
光沢があり、深みのある黒色をしているもの。
■保存方法
湿気ないように、缶やビンに密封して冷蔵庫へ。
■佃煮にリサイクル
一度湿気てしまうと風味と味が落ちてしまいます。のりを細かくちぎり、鍋にみりん、しょうゆ、酒などを入れ、弱火で煮込めば佃煮ができます。
■のりの炙り方
のりは使う前にさっと火で炙るとパリパリ感が増し、香りもよくなります。その際はなめらかなほうを中にして2枚重ね、ザラザラしたほうだけを炙るのがポイントです。香りが逃げずに、パリッと仕上がります。
のりの効果
■美肌効果
のりには、色素の沈着を防ぎ、みずみずしい肌をつくるビタミンCが豊富です。
■高血圧の予防
のりに含まれるペプチドは、血圧を上げるアンジオテンシン(ACE)という酵素の働きを抑えて、血圧の上昇を防ぎます。
■免疫力の向上
のりにはにんじんの3倍のβ-カロテンが含まれており、必要に応じてビタミンAに変わります。ビタミンAは抵抗力を高め、ウイルスや細菌から身体を守る役割を果たします。
こんな方におすすめ
●美肌になりたい人
●高血圧が気になる人
●免疫力を高めたい人
おさらい
●タンパク質、カルシウム、鉄、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどの多くの栄養素が含まれている
●のりに含まれるペプチドが血圧の上昇を防ぐ働きをする
●β-カロテンが豊富に含まれており、これがビタミンAに変わって、ウイルスや細菌から身体を守る
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学(発行所 株式会社ナツメ社)
・免疫力を高める食材事典(発行所 株式会社学研プラス)