腰痛が起こる原因とは?
■腰痛は悩む人が多い症状
腰痛は、腰を中心とした痛みや張り、痺れなどの不快感を伴う症状の総称です。
厚生労働省が2019年に行った国民生活基礎調査によると、日本人が日常生活の中で自覚している体の不調として腰痛は男性で1位、女性で2位でした。
この結果からも多くの人が腰痛に悩んでいることがわかります。
■腰痛の原因とは?
腰痛の原因は様々で、腰に負担がかかるような姿勢、運動不足による筋力の低下、体の柔軟性の欠如、加齢による老化などのほかにも、骨粗鬆症などの病気が原因で起こることもあります。
腰痛改善のストレッチや対策法を紹介
腰痛の改善には、日常生活を振り返り、腰に負担がかかっていないかを確認することが必要です。
日頃からストレッチをして腰痛がひどくなる前に改善し、腰の状態に合わせた対策法を取り入れてみましょう。
腰痛になりやすい習慣を簡単チェック
当てはまる方は対策法も確認しましょう!
寝ながらできるストレッチ
寝ながらできるストレッチは、腰に負担をかけずに行えるのでおすすめです。
■体をひねるストレッチ
①痛い方の腰を上にして寝る
畳やフローリングなど硬い床の上で、痛みがある方の腰を上にして横向きに寝る。
同じ側の脚の膝を90度に曲げて床につける。
②上半身を反対側にひねる
床につけた膝が浮かないように手で押さえつつ、痛い側の腕を伸ばしながら、反対側に上半身をひねる。その姿勢を30秒間キープする。
反対側も同じ要領で行い、1日1~3回を目安に行う。
寝方を変えて少しでも楽に
腰に痛みがある時は寝る姿勢を意識してみましょう。
横向きに寝てエビのように背中を丸め、膝を軽く曲げる姿勢がおすすめです。この姿勢は腰への負担が少なくなります。
また仰向けに寝る場合は、膝の下にクッションなどを入れて腰の負担を軽減させましょう。
やわらかすぎるマットレスは寝た時に不自然に体が沈むために避け、少しかためのマットレスや敷布団がおすすめです。
枕はやわらかくて大きなものを使いましょう。首と肩を一緒に支えることができるサイズが適しています。
お風呂に入った方が良い場合と、避ける場合の違い
腰痛には大きく分けて、急性期と慢性期があります。
急性期は、重いものなどを持ち上げた時など、急に腰に激痛が走るものです。急な動きについていけなかった腰の筋肉は損傷し、熱をもって炎症を起こしているため、安静な状態で冷やすことが第一になるので、入浴は控えましょう。
急性期を過ぎると、慢性期になります。腰の炎症は落ち着いていますが、腰に違和感がある人が多い時期です。また、日常生活や仕事、運動、肥満など、継続的に腰へ負担をかけている場合は、温めることで痛みが和らぎます。
入浴などで温めることにより、腰周辺の毛細血管が拡張し、血流が良くなります。筋肉の修復が促進されるほか、柔軟性が高まり、鎮痛効果も期待できます。
入浴は、少しぬるめのお湯に10~20分程度浸かるようにしましょう。
おさらい
●腰痛は、腰を中心とした痛みや張り、痺れなどの不快感を伴う症状の総称
●腰痛の改善には日常での生活習慣の見直しや、ストレッチなどで早めの対策をする必要がある
●炎症を起こしている時は患部を冷やし、継続的に痛む時は入浴などで患部を温める
【佐藤 順子 先生】
横浜国立大学教育学部卒業
小学校教諭を経て健康生活新聞編集に携わる
福祉住環境コーディネーター
・よくわかる最新医学 ひざ・腰・肩の痛みの最新治療(発行所 株式会社主婦の友社)
・テレワークの腰痛・肩こりは自分で治せる!(発行所 株式会社学研プラス)
・国民生活基礎調査(2019年)(厚生労働省)