イソフラボンは主に大豆の胚芽部分に多く含まれるポリフェノールの一種です。イソフラボンは女性ホルモンと構造が似ていることから、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあり、更年期障害や骨粗鬆症の予防効果などが期待されています。
イソフラボンとは?
イソフラボンは、大豆などマメ科の植物に含まれる抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。特に大豆の胚芽部分に多く含まれます。
イソフラボンには様々な種類がありますが、大豆や大豆製品に含まれるイソフラボンは、大豆イソフラボンと呼ばれます。大豆のえぐみ、苦味などのもとになる成分で、大豆の中に含まれるイソフラボンは0.2~0.3%程度とされています。
大豆イソフラボンは糖と結合した大豆イソフラボン配糖体として存在しています。大豆イソフラボン配糖体が体内に入ると、大腸の腸内細菌の酵素の働きにより分解され大豆イソフラボンアグリコンになります。
大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれ、女性ホルモンの作用を補う成分として期待されています。
大豆イソフラボンは大豆を原料とする食品に含まれていますが、大豆の種類や食品の製造方法などによってもその含有量は異なります。食べ物の中では、きな粉や豆腐、納豆などに多く含まれています。
イソフラボンの効果
■更年期障害を予防・改善する効果
更年期障害は女性ホルモンのエストロゲンの減少により起こります。更年期障害の症状には、顔のほてり(ホットフラッシュ)、のぼせ、イライラ、めまい、疲労感などがあります。
イソフラボンを摂取することで、エストロゲンが不足する分を補うため、更年期障害の予防や改善に効果があります。
■骨粗鬆症を予防する効果
イソフラボンには、エストロゲンの代わりにカルシウムの流出を抑える働きがあります。
エストロゲンの分泌が減少すると、骨からカルシウムが溶け出し、骨密度が低下するため、骨粗鬆症のリスクが高まります。閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのは、エストロゲンの低下が原因の一つであるため、イソフラボンの摂取が特に重要です。
■生活習慣病を予防する効果
脂質の一種であるコレステロールが増加すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす可能性があります。
イソフラボンは血液中のコレステロールを減少させる働きがあるため、脂質異常症をはじめとする生活習慣病や動脈硬化の予防につながります。
イソフラボンが摂れる食べ物
大豆、大豆製品(豆腐、納豆、きな粉、味噌、豆乳)など
こんな方におすすめ
●更年期の人
●骨粗鬆症が気になる人
●コレステロール値が気になる人
おさらい
●イソフラボンは大豆や大豆製品に多く含まれるポリフェノールの一種
●イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た構造で、女性ホルモンの働きを補う
●更年期障害や骨粗鬆症の予防効果が期待できる
・完全図解版 食べ物栄養事典(発行所 株式会社主婦の友社)
・食品でひく 機能性成分の事典(発行所 女子栄養大学出版部)
・豆乳パワー!のすべて(発行所 株式会社青春出版社)
・大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(農林水産省)